オーロラの撮り方
カメラはあなたの目よりもオーロラをよく捉えます。それが楽しさの半分であり、戸惑いの半分でもあります。しっかり構えたスマホでもそれなりの写真が撮れますし、三脚に載せたカメラなら、空が動き出す前に準備しておけば、はるかに多くのことができます。ここではフェアバンクス周辺で使える設定と、寒さが機材に及ぼす影響を紹介します。最後の章では、代わりに写真を撮ってくれるツアーを取り上げます。
カメラが目より多くを捉える理由
暗闇では、目は光には敏感でも色はほとんど見分けられない細胞に頼っています。淡いオーロラは、あなたには薄い灰色の雲のように見えても、10秒間光を集めたカメラの液晶では鮮やかな緑に写ることがあります。強いオーロラなら肉眼でも色がわかり、ほとんどは酸素による緑で、ときには窒素による桃色や紫の下端が見えます。
これはトリックではありません。カメラはそこにあるものを、より多く記録しているだけです。ですから、北の空の低いところに淡い帯が見えたら試し撮りをしてみましょう。ほとんど気づかなかったオーロラかもしれません。また、夜は液晶画面で明るさを判断しにくいということでもあるので、光って見えるプレビューを信じずにヒストグラムを確認してください。
スマホでうまく撮るには
最近のスマホは驚くほどよく撮れます。フラッシュをオフにしてナイトモードをオンにし、露光にかかる数秒間はスマホを動かさないようにします。手持ちだとぶれてしまいます。小さなスマホ用三脚があれば解決しますし、車の屋根や雪の上に置いたリュックにスマホを載せても大丈夫です。ボタンを押す振動で画面がぶれないよう、セルフタイマーを使いましょう。
スマホにマニュアルモードやプロモードがあるなら、数秒の露光時間を自分で設定し、ピントを無限遠に固定します。暗闇でスマホに判断させるよりずっと確実です。ズームはせずにいちばん広角のレンズのまま撮り、大きさの比較になるよう、画面の下に木々の稜線や人を入れましょう。
どんな設定よりも多くの写真を救ってくれる習慣が2つあります。指を凍えさせずに画面をタップできるよう薄いインナー手袋をはめること、そして撮影の合間はスマホを内ポケットにしまっておくことです。そのほかの重ね着は−29 °Cの夜の服装で紹介しています。
まず試したいカメラ設定
カメラなら、すべてを自分でコントロールしましょう。暗闇ではオートフォーカスも自動露出も苦戦するので、オーロラが強まる前、まだダイヤルが見えるうちに、すべて手動で設定しておきます。
| 設定 | 最初の値 | 理由 |
|---|---|---|
| モード | マニュアル(M) | オートモードは暗闇で迷い、当て推量になる |
| レンズ | いちばん広角のもの | よいオーロラは空の半分を埋めることもある |
| 絞り | できるだけ開放、たとえばf/2.8 | 1秒あたりに取り込める光がいちばん多い |
| ISO | 1600–3200 | 明るい月夜には下げる |
| シャッター | 2–15秒 | 速く動くカーテン状なら短く、ゆっくりした淡いアーチなら長く |
| ピント | マニュアルで明るい星に合わせる | または無限遠にして、拡大した画面で確認 |
| ファイル形式 | RAW | 色やノイズをあとで補正する余地が残る |
いちばんよく変えることになるのはシャッタースピードです。オーロラがゆっくりした淡いアーチなら、10–15秒で十分な光が集まります。速く動くカーテン状に崩れてきたら2–5秒に落とさないと、ひだが緑のにじみになってしまいます。足りない光はISOを上げて補いましょう。三脚を使うときは手ぶれ補正をオフにし、続けて撮ったコマの色がそろうよう、ホワイトバランスはオートにせず固定します。
夜の写真の失敗は、ほとんどがピントです。レンズをマニュアルフォーカスに切り替え、ライブビュー画面で明るい星を拡大します。星が鋭い点になるまでリングを回しましょう。無限遠のマークより少し先でピントが合うレンズが多いので、目盛りより星を信じてください。そのあとはリングに触らないこと。テープを1枚貼っておけば、あとでミトンが当たってずれるのを防げます。
混み合う丘の上での三脚とヘッドランプ
1秒ほどより長い露光には三脚が必要です。風の中や深い雪の上では、超軽量のトラベル三脚よりしっかりしたもののほうが上で、脚を雪に深く押し込むと安定します。飛行機で持っていきたくなければ、約335ドルのSkyChaseでは三脚を借りられ、ガイドがカメラの設定も手伝ってくれます。−29 °Cでは金属の脚が素肌に食いつくので、手袋をしたまま扱いましょう。
赤色モードのあるヘッドランプを持っていきましょう。赤い光ならダイヤルが見え、暗さに慣れた目も損なわず、ほかの人の長時間露光を台無しにする心配もずっと少なくなります。混み合う丘の上では、白いライトや車のヘッドライトをカメラのほうに向けないようにし、三脚の列の前を横切るときはひと声かけてください。
冷えたバッテリーと曇ったレンズ
寒さの中ではカメラのバッテリーがすぐに消耗し、満充電でも外では1時間もたないことがあります。予備を2–3個内ポケットに入れておき、弱ってきたら交換しましょう。切れたように見えるバッテリーも、温まればたいてい回復します。
もっと大きなリスクは夜の終わりにやって来ます。冷えたカメラを暖かいバンにそのまま持ち込むと、本体やレンズの内側に水滴がつき、次に外へ出たときに凍ってしまいます。車に乗る前にカメラを密閉できるビニール袋か閉じたカメラバッグに入れ、ゆっくり室温に戻しましょう。先にメモリーカードを抜いておけば、カメラが温まるのを待つ間にその夜の写真を見られます。冷えたレンズに息を吹きかけて拭くのは厳禁です。息がガラスの上で凍ってしまいます。

オーロラの下でのポートレート
いちばん人気なのは、オーロラの下に立つ自分の写真です。露光の間ずっと、たいていは数秒間じっと立っている必要があり、その間にガイドが一瞬ライトであなたを照らします。見つめる一点を決めて、ガイドが撮り終えたと言うまでポーズを崩さないようにしましょう。
これをやってくれるツアーがいくつかあります。Arctic Night Tours(約225ドルから)は、ガイドが撮った写真を無料でメールで送ってくれて、ポーズはいくつでも撮れます。Electric Mooseはポートレートと風景を軸に夜を組み立て、さらに全天のタイムラプスもつけてくれます。口コミによると、雲で空が隠れた夜には、オーナーがスチールウールや光で絵を描くライトペインティングの撮影に切り替え、参加者がちゃんと写真を持ち帰れるようにしてくれたそうです。SkyChaseにはプロが撮った写真の一部が含まれますが、編集済みの全セットと元データは別料金で、写真が届くまで3週間以上待った参加者もいます。ガラスハウスのガイドは、オーロラが出ると外で参加者を撮影し、翌日写真を送ってくれます。
プロから設定を学ぶ
Electric Moose Studios(約300ドルから)はグループを10名までに絞り、プロの写真家がガイドを務めて、スマホとカメラの設定をその場で教えてくれます。写真にオーロラが写っていなければ、2年以内の2回目のツアーが無料になります(空席がある場合)。
写真好きに向くツアーは
手間をかけずに写真がほしいなら、Arctic Night Toursを選んで、一晩中空を見上げていましょう。無料の写真でポートレートはまかなえますし、長いハンティングは晴れた空に出会うチャンスがいちばん多くなります。自分で撮れるようになりたいなら、約300ドルのElectric Mooseがまさにそのためのツアーで、参加者は10名以下、その場でレッスンを受けられます。SkyChaseは、三脚を借りて、撮影の合間に暖かいロッジで休みたい人に向いています。
本格的に撮るなら、ガラスハウスはいちばん不向きです。ガラスに室内の光が映り込むので、外で撮るつもりでいてください。2つのスタイルは車で追うか、小屋で待つかで比べています。その土地らしさが伝わる風景写真なら、約379ドルの北極圏ツアーがダルトン・ハイウェイ沿いで撮影のために停車してくれ、参加者は最大6名です。ルートは北極圏への往復の旅で紹介しています。
どのツアーを選ぶにしても、予約の前に月を確認しておきましょう。明るい月は雪を照らして風景写真にはうってつけですが、淡いオーロラをかき消してしまいます。暗い時期についてはオーロラが見られる時期で説明しています。夜を選ぶにはオーロラ予報の読み方が役立ち、自分で見つけた丘の上で撮るつもりなら、ドライブについては自力でオーロラを探すをどうぞ。